神戸連続殺傷事件「元少年A」が記を出した理由を解説!

太田出版の名物編集者・落合さんの今回の仕事ぶりは、『完全自殺マニュアル』を出した1993年当時と明らかに異なる。

太田出版は、いろいろスキャンダラスな本を出し、それによってベストセラーを出してきた実績がある。

しかし、「元少年A」のように著者の身元を明かさない本は初めてだ。

著者が「酒鬼薔薇聖斗」である確証が明かされない以上、本の中身の真偽も判断できない。

これは読者に対する信頼を放棄したのも同じだ。

もちろん、「信じるか信じないかはあなた次第」というオカルト本というジャンルはある。

しかし、今回は現実に起こった殺人事件を扱っているため、遺族や司法関係者はもちろん、多くの人々の関心を引きつけるものだし、そこでは事実そのものが明らかであることを担保しない限り、最低限度の信頼関係を読者に対して示せない。

その説明責任を果たさないままで商品をリリースすることは、表現の自由と価値をふみにじるものだ。

これは「本」という商品をめぐる社会的責任の大きさを浮かび上がらせる事件といえる。

当然、遺族側は何もかもわからず困惑するだろう。
著者が名誉棄損で訴えれられれば、著者は嫌でも法廷へ足を運び、多くの人に名前と顔を知られることになり、著者は孤立する。

それによって本は売れ続ける。
損をするのは著者ばかりだ。

そこまで想定した上で、この本を出版したのか?
落合さんに対してつっこんだ質問をしないメディアに、僕はとてもいらだちを感じる。

もし、著者が本人なら、やがて法廷に呼び出されるだろう。
それが嫌でまた犯罪をおかして刑務所に逃げ込んだり、自殺するような事態を招いても、話題が続くことによって太田出版は儲かり続けるだけだ。

世間での評判を気にせず、自社の売上が増えればそれでいいの?
落合さん。